
刺激に敏感になっている乾燥肌は、かゆみも生じやすい状態です。カサカサ、ムズムズするとついつい掻きたくなってしまいますが、実はこの掻く行為がさらなるトラブルを引き起こすことも。まずはかゆみが起こらないよう、できることから対策を始めましょう!

乾燥によりかゆみが生じるのは、肌のバリア機能が低下していることが原因となります。肌のバリア機能が低下する(衰える)と、花粉、ハウスダスト、紫外線、外気と言った外部刺激に肌が反応しやすくなり、ちょっとしたことでもかゆみを感じるようになるのです。それでは、なぜ肌のバリア機能は衰えるのでしょうか?大きな要因としては、角層の水分含有量の低下が挙げられます。角層は、肌のバリア機能を担うわずか0.02ミリの薄い層です。つまり、この部位の水分量が少なくなると、外部刺激から肌内部を守る力が弱まってしまい、これにより、ダメージによるかゆみが生じてくるのです。

肌にかゆみが生じても、掻いてはいけません。掻くこともまた、肌のバリア機能を担う角層にダメージを与えるためです。角層がダメージを受けた状態は肌にとって緊急事態なので、免疫機能が亢進(こうしん)し、炎症が起きやすくなります。また、掻く行為によって、かゆみの元となる成分「ヒスタミン」の分泌が誘発されます。そのため、掻けば掻くほどかゆくなり、強いかゆみへ発展するという悪循環に陥ります。肌のバリア機能も一層低下してしまうので、アトピー性皮膚炎の引き金にもなりかねません。
乾燥が原因となるかゆみには、以下の3点を心がけることが大切です。
もっとも重要なのが、入浴後の保湿です。入浴後の肌は、肌の水分量を保つのに重要な皮脂が洗い流され、とても無防備な状態。化粧水で水溶性の潤い成分を充分に与えたら、乳液や保湿クリームなどで油溶性の潤い成分も届け、同時にフタをすることで水分の蒸発を防ぎましょう。かゆみの原因が乾燥であるだけに、保湿を確実に行うことが対策の基本です。
次に大切なのが、衣類や寝具の見直しです。素材によっては、肌へ不要な刺激を与える場合があります。シーツなど頻繁に肌へ触れるものは、よく注意して選んでください。水分をよく含む綿製品がいいでしょう。
症状がひどい場合は、かゆみを抑える有効成分を含む薬でのケアも必要でしょう。皮膚科を受診すれば、適切な薬を処方してくれます。ただし、薬によっては、使い過ぎにより皮膚の黒ずみや抗菌免疫力の低下などを引き起こすものもあるので、使用の際は十分注意しましょう。普段使っている化粧品を「敏感肌用化粧品」や、配合成分がシンプルなものに変えることも有効です。肌に塗布するものは、できるだけ刺激が少ないものを選びましょう。
高輪皮膚科・形成外科 院長 小林しのぶ先生

しみ、シワ、たるみといったエイジングの悩みを専門に美容皮膚診療のほか、アトピーも専門分野としている小林先 生。院長を務める高輪皮膚科・形成外科は、美容医療、皮膚外科など、幅広い皮膚の悩みに対応した治療院です。
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